吉田
海苔網のあまりの売れなさに辟易していると、それをやたらと見ているおばさまがいました。
そして一言。
「うちでも海苔網使っとるよ。」
僕らが販売している海苔網はサイズ的には、イノシシ・シカの対策網として使われているものでした。
このあたりにそんなたいそうなものは、いそうにありません。
何に使っているのか聞いてみると、「きゅうりとかアサガオのつる巻くのにいいねぇ。」とのこと。
! 確かにその通りです。ナイス知恵袋。経験豊富ですね。
害獣対策用に使うということばかり考えていたので、園芸用に使うという発想はありませんでした。
この辺で売るなら間違いなく園芸用に使えるということを売りにすべきです。
ということで早速「園芸用にも使えます」という宣伝文句を新たに加え、売り出しました。
300円で。
普通の企業であれば、「閉店のため、在庫処分価格となっております。」って書かれるくらいの勢いです。目標は「完売」です。
もうお祭り終了まで時間がありません。必死に声をだして海苔網を売ります。
ほのかに漂う磯の香り、人目を引くにはあまりに無骨すぎる外観。
海苔網の商品としての価値をまだ掴みきれていませんでした。
そのため、海苔網を買ってもらうには「再利用網を使うことで環境保全に貢献する」という背景を買ってもらうしかなかったのです。
「兄ちゃん、この網畑に使えるのか?」
おじい・・いや、初老の紳士が語りかけてきました。
「使えますよ!」
最高の営業スマイルでお応えしました。
続けて、エココミュニティ研究所の簡単な説明などを交え話していると、「ほじゃひとつもらおう。」
海苔網が、売れた。(プロジェクトXばりに)
朝からずっとこの瞬間を待っていました。長かった。今までのつらく厳しいたたかいも無駄ではなかったのです。
一枚海苔網が売れたからでしょうか。お客さんが集まってきました。
対応に追われているうちに気づけば、海苔網完売!
完売と言っても大した枚数が売れたわけではありませんが、害獣対策用だけではなく園芸用としての活用方法だったり、
海苔網を実際販売してみて聞けたお客さんの声だったり、今後の活動に参考になりそうなことを多く得ることができました。
実験的な販売としては大成功だったかと思います。
4月ももう終わろうとしていました。
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